プロローグ なぜ研究論文は難しいのか


    201561

    世話人 TY

 

ばぁば「オレアの風コーナーができて、いろいろ説明してもらえると助かりますね。」

じぃじ「いや、まことに。調べてもよくわからないものもあるしね。」

ばぁば「研究論文というのは、何故、難しいのでしょうね。」

じぃじ「たしかにわかりにくいね。自然科学などでは、隣接領域の論文がわからなくなっているというようなところもあるって聞いていますよ。」

ばぁば「どうしてそうなってしまうのかしらね。」

じぃじ「原因はいろいろあるんだろうけど、近代科学のせいもあるんじゃないのかなぁ。」

ばぁば「えーっ?何それ。」

じぃじ「近代科学はものごとをとことん突き詰めようとして、それは何からできているのか?その原因は何か?というように、どんどん遡っていくじゃない。」

ばぁば「たとえば、水は何からできているのか?となると、水素と酸素からできていて、その仕組みはH2Oという分子式で表すことができる、というようなことね。

今は学校でその位のことは習うから、H2Oなんていわれても驚かないけど、学校で習わなかったら、何それ?ということになるわね。」

じぃじ「そうですよ。」

ばぁば「そうか。前に読んだことがあるんだけど、還元主義という、あれのことね。」

じぃじ「さすがだね。」

ばぁば「ものごとを何からできているの?というように還元的にとらえていくと、だんだん専門的な用語を作らざるをえなくなり、ついには、専門用語の羅列になって、われわれには何がなんだかさっぱりわからなくなるというわけね。」

じぃじ「そうなんだ。専門用語ばかり並べられたら、わからなくなるよね どうしたらいいのかなあ。」

ばぁば「自然科学の方では、専門的な知識を一般の人にわかりやすく説明する必要性がいわれ、そのような努力が始まっているようですよ。」

じぃじ「それだね。われわれのところでも、それを始めようよ。」

ばぁば「そのために、このオレアの風コーナーができたんじゃないの?」

 

じぃじ「そうでした。では、よろしくね。」